ご挨拶
このたび、2022年6月20日の日本公認会計士協会京滋会定期総会において、京滋会で初めての女性会長に就任いたしました。関係各位のみなさま方には、日頃より公認会計士業務に多大なご理解とご協力を賜り、深く感謝申し上げます。微力ですが、地域経済社会の発展に資するよう会務を務めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
京滋会は、全国16の地域会のひとつとして、京都府と滋賀県で活動する会員755名・準会員144名(うち女性167名)で組織されています(2024年6月30日時点)。1968年発足以来、設立56年を迎えます。会員、準会員のみなさまが、地域社会とともに、誇りと自覚を持って業務に従事できますよう務める所存です。
気候変動や新型コロナウイルスの出現により、世界の環境は大きく変わろうとしています。将来の予測が困難な不確実の時代に突入する中で、監査と会計の専門家である私達公認会計士が、社会に果たすことができる役割、それは、人々が安心して暮らせるよう、社会に「信頼」を創り続けることであると考えています。
「財務書類等の情報の信頼を確保し、国民経済の健全な発展に寄与する」「品位を保持し、公正かつ誠実に業務を行う」いう公認会計士法第1条と第1条の2に定められた公認会計士の使命と職責を果たせるよう、公認会計士としての資質と品格の維持向上に努めてまいります。
資本市場では、新規株式公開(IPO)の企業数は年間100社にも上り、国内の上場会社数は4000社に迫ろうとしています。監査の担い手は大手監査法人から中小監査法人へと拡がっています。資本市場の更なる信頼性確保のため、中小監査法人の基盤強化の支援が重要な課題となっています。京滋会でも本部と連携し、この支援に注力してまいります。
また、公認会計士の活動の場は、監査に留まらず、税務、コンサル、社外役員、組織内での業務等多様化を極めています。その分野は、資本市場だけでなく非営利分野にも拡がっています。経済的な側面の信頼性確保だけでなく、環境を含めた持続可能な社会を維持できるように、多様性を尊重し、公認会計士のひとりひとりが輝いて社会貢献ができる土壌が重要です。監査で培った「倫理観」と、日々の研鑽で体得した「専門性」を柱に、地元経済に寄り添い、様々な問題解決に貢献し、信頼に満ちた豊かな社会の実現に努めてまいります。
コロナ禍が続き、地元経済も大きな打撃を受けました。地域社会の公認会計士に対する期待はますます高まっていると感じています。中小企業の復活を支援し、事業承継等が円滑に進むように関係諸団体や他の士業の方々と連携を深めてまいります。
地域の自治体とは、包括外部監査や公的な委員の推薦等を通じて連携がますます深まっています。会員の活躍の場をさらに拡げ、社会貢献がさらに進むように、京都府と滋賀県の各市町村を訪問し、交流を深めてまいりたいと考えています。
歴史が積み重ねられた京都・滋賀は、伝統を大切にすると同時に、時代に合った変革を常に求めて更に質の高いものを目指す精神に溢れていると感じます。この精神を活かして、不確実の時代を乗り越え社会が活気に満ちますよう、監査と会計のプロフェッショナルパートナーとして地域と共に進んでまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。
京滋会長 山田 陽子